引越しの際に、不要になった畳の捨て方や古くなってしまった畳の処分方法は一体どうすればいいのか、畳をゴミとして出すにはどうすればいいのかとお悩みの方々に畳を処分する方法を解説して、ご紹介していきます。
処分する前に畳の寿命を知ろう
本当はまだ使える畳なのに、処分してしまうのは勿体ないことですし、買い替えるならお金を浪費してしまうことになってしまいます。
きちんとしたメンテナンスを行えば畳は最低10年~15年は使えるので、自分で出来るメンテナンス方法をまずご紹介します。
畳の裏返しと表替え
畳を裏にひっくり返す方法を裏返しと呼び、畳を買ってから3年~5年経つと日焼けで色褪せたり、擦った傷が目立ってくるので、裏返しを行うのが一般的です。
表替えとは畳表と畳縁を新しいものに取り替えることで、購入してから6年~7年経ってから行います。
畳の買い替えの目安
畳の寿命は10年~15年と言いましたが、これはあくまで目安で、畳の色が黄色く変色してしまったり、畳を踏むと不安定だったりしたら、買い替えのサインなので、古い畳をまずは処分して、新しく購入しましょう。
畳を粗大ごみで処分する
畳は地域の自治体によってゴミの区分は異なります。
畳の回収に非対応で処理できないごみに分類されている地域もありますが、粗大ごみとして分類されている地域が一般的に多いです。
粗大ごみとして畳を処分する場合、自宅の近くに畳を出して自治体に処分してもらう戸別収集という方法と、ゴミ処理場・クリーンセンターと呼ばれる廃棄施設に自分で畳を持ち込んで処分する持込処分という2つの方法があります。
戸別収集を利用して畳を処分する
以上の流れで畳を粗大ごみとして処分できます。
参考 粗大ごみ受付センター(東京23区)粗大ごみ受付センター畳を持込処分する
ゴミ処理場・クリーンセンターに畳を自分で持ち込んで処分する場合、戸別収集よりも費用が安く抑えられ、すぐに処分できるというメリットがある一方で、自分で畳を廃棄施設の営業時間内に持って行かなければならない、自治体によっては事前に予約をしなければならないというデメリットもあります。
では戸別収集や持込処分を利用して畳を粗大ごみとして処分する費用はいくらかかるのか見てみましょう。
戸別収集と持込処分の費用相場
畳半畳600円、発砲スチール製の畳半畳300円畳半畳300円、発砲スチール製の畳半畳200円
東京都品川区 | |
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戸別収集 | 持込処分 |
畳1畳1,000円、発砲スチール製の畳1畳600円 | 畳1畳500円、発砲スチール製の畳1畳300円 |
持込処分の場合、日曜日に「品川区資源化センター」に持ち込まなければなりません。
参照元:https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/ct/other000091600/sodaihinnmoku.pdf
畳1畳1,200円畳半畳600円
東京都練馬区 | |
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戸別収集 | 持込処分 |
畳半畳800円 | 畳半畳400円 |
参照元:https://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/gomi/wakekata/sodai.html
神奈川県横浜市 | |
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戸別収集 | 持込処分はなし |
畳1,000円 | – |
請負工事等で出る畳は、市では収集できないので、工事を請け負った業者に処理を依頼する。
千葉県千葉市 | |
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戸別収集 | 持込処分 |
畳1畳780円 | 品目に応じた4段階の料金390円、780円、1,170円、1,560円取っている場所や、10kgまでごとに270円(税別)取っている場所がある |
参照元:https://www.city.chiba.jp/kankyo/junkan/shushugyomu/sodaigomitesuryo.html
大阪府大阪市 | |
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戸別収集 | 持込処分 |
畳700円 | 10kgにつき90円の従量制の料金 |
参照元:https://www.city.osaka.lg.jp/kankyo/page/0000384507.html#3
戸別収集と持込処分で畳を処分する費用の相場は、200円~1200円かかることがわかります。
畳を可燃ごみで出す
ノコギリなどの工具を使って畳を可燃ごみの指定袋のサイズまで小さくすることができれば、燃えるゴミの日に可燃ごみとして出すことができ、畳を処分する費用がかかりません。
注意点としては、畳は分厚いので手動のノコギリを使って小さく切断することは難しいので、電動ノコギリが必要なこととが挙げられます。
またゴミ袋に入るサイズまで畳を小さく切断できても、一度に大量の可燃ごみを出すと、自治体によっては可燃ごみとして回収できる範囲を超えたと判断され、ごみを持って行ってもらえない場合がありま。
事前に自治体の許可をもらってからゴミを出しましょう。
処分費用は無料ですが、畳を解体できる電動ノコギリがなければ工具代が必要となり、切断した畳を入れるゴミ袋代がかかること、さらに解体作業に解体するためのスペースや労力・時間がかかることがデメリットとなります。
畳の素材によって処分費用・方法が異なる
まずは畳にどんな素材が使われているのか、どんな特徴があるのか畳別に紹介します。
先人の知恵を生かした龍鱗表(りゅうびんおもて)
乾燥した良質のいい草を水洗い・天日干しを3回繰り返して、綺麗な飴色が特徴の畳で、主に茶室の床畳や床の間の畳表用として使用されています。
花瓶などを置いた際に、畳の色が変色しないで、色にムラができないようにする為に、飴色にさせています。
い草の形が異なる高級な琉球表(りゅうきゅうおもて)・目積表(めせきおもて)
和風にも洋風にも合う琉球表は、独特の香りや感触があり、耐久性が高いことでも知られる高級な縁なし畳となっています。
目積表は、使われているい草は普通の畳表と変わりませんが、織り方が細かく、琉球表と見た目が似ているのが特徴です。
い草を使わない和紙表
和紙表は、い草を使わないで樹脂加工を施した和紙で織られています。
カラーバリエーションが豊富で、色褪せしにくく、撥水性があり、摩耗に強く、ダニやカビを寄せ付けないのが特徴です。
本畳と樹脂加工畳の処分方法・費用の違い
畳には、龍鱗表(りゅうびんおもて)、琉球表(りゅうきゅうおもて)目積表(めせきおもて)といった本畳と言われる天然の素材で作られた畳と、和紙表をはじめとする耐久性が高くダニやカビに強いプラスチックなどで作られた樹脂加工畳に分けられます。
樹脂加工畳は本畳と比べると、処分費用が安く抑えられる反面、一般家庭で使っていたものではなく事業所などで使用されていた樹脂加工畳の場合、回収してもらえないケースもあります。
あらかじめ回収してもらう業者に確認をとっておくと良いでしょう。
畳をリサイクルする
本畳に使われている「わら」は、家庭菜園などの土壌に利用して、大雨や洪水、浸水によって引き起こされる土壌の流失を防ぐ効果があります。
樹脂加工畳は、い草カーペットに再利用できたりします。
しかし畳をリサイクルしている業者や畳屋は少なく、リサイクルショップでも取り扱ってくれるお店は殆ど無い状態ですので、リサイクルしてくれるお店を探すのが困難というデメリットがあります。
畳屋で畳を買い替えて回収してもらう
畳屋の中には新しい畳を購入してくれた方限定で古い畳を引き取ってくれるお店もありますが、有料で対応している畳屋が大半です。
1畳あたり1,000円~2,000円が相場です。
畳の買い替えを検討中の方は、買い替えで古い畳を引き取ってもらえるのか、料金はいくらかかるのかを、畳の購入を考えている店舗に確認をとりましょう。
産業廃棄物扱いとなった畳は処分方法が異なる
住宅のリフォームを行った際に出た畳は、粗大ごみや可燃ごみとして処分することはできず、産業廃棄物処理業者に依頼して回収してもらわなければなりません。
産業廃棄物処理業者と産業廃棄物となった畳を回収してもらいたい依頼者は、必ず廃棄物処分委託契約書を交わしてから、産業廃棄物処理業者が処分を行うことになっています。
産業廃棄物処理業者でかかる費用は、畳の処分費用+運搬費用となっています。
不用品回収業者に依頼する
不用品回収業者を利用すれば、労力・時間などの一切の手間が不要で畳を処分できます。
畳のみを処分したい場合は単品回収という扱いになり、
基本料金+作業費+オプション料金(建物の2階から搬出する場合など必要によって)=合計料金
となるところが大半です。
畳以外にも回収してもらいたい不用品があれば、業者によってはまとめて回収を依頼することで基本料金や作業費、オプション料金などが含まれたお得なパックプランを利用できます。
不用品回収業者を利用する際は畳以外に他に出す不用品はないか確認しておくことも大事です。
かかる費用は粗大ごみや可燃ごみとして処分するよりも高くなりますが、自分で運搬する労力や予約を行ったりする時間が不要になるため畳を処分するのに時間や労力を無駄にしたくないという方にとっては最善の方法です。
不用品回収業者を利用するメリット・デメリット
不用品回収業者を利用するメリット・デメリット | |
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メリット | ・回収と買取を同時に行ってくれて、回収費用から買取金額を差し引いてくれる業者も多いので、不用品を買い取ってもらいたい方にとって便利 ・24時間365日年中無休で営業していて、即日で回収してくれる業者もあるので、引越しをするので急いで処分して欲しい方や普段仕事などで忙しい方でも対応してくれる ・すべての手間を業者に任せることができるので、時間・労力などの負担は一切なくなる |
デメリット | ・自治体などで処分するよりも費用が高くなる ・高額請求や不法投棄する悪質な業者も存在するので、業者選びには気をつけなければならない |
畳を捨てる際に知っておきたい注意点
畳を捨てる為の6つの方法についてご紹介しました。
これで、畳を捨てるのはバッチリ!と思っていても、そこには意外な落とし穴が隠れています。
ここからは、実際に畳を捨てる際に知っておきたい注意点について詳しく説明していきます。
【注意点①】不用品回収業者を利用するときは比較を忘れずに
回収業者に依頼をする事で、一度に複数の畳を処分する事ができます。
ただし、処分にかかる料金は会社によって様々なので、事前に料金比較をしてから依頼することをオススメします。
回収業者の多くは、「詰み放題式プラン」といってトラックの容量によって値段が決まっています。
そのため、畳のみを処分する場合はスペースが余ってしまうこともあり、費用としては高く付いてしまうことも。
無料で見積もりをしている不用品回収業者に問い合わせてみましょう。
【注意点②】地域の畳屋さんに引き取ってもらうときは費用を先に聞こう
買い替えや、張り替えのタイミングなどで引き取りをお願いした場合、無料で快く引き受けてくれることもありますが、引き取りのみを依頼すると、殆どの場合料金が発生します。
中には高齢者を狙った、悪徳畳業者が高額で畳を売りつけたりすることも多いようです。
そのため、こういった悪徳業者を避けるためにも、引き取りを依頼する場合は、どのくらいの費用がかかるのか、先に確認することが大切。
あとから色んなオプションをつけられて、高額な費用を払ってしまった…ということにならないよう気をつけましょう。
畳を簡単にフローリングにリメイクする方法!
畳がダメになってもリメイクすることで、お部屋の印象も一気に変えることが出来ます。
最近では、和室タイプの賃貸向けにフローリングシートなどが販売されています。
畳の上からでも敷くことができるので、捨てずにそのまま使うことが出来ます。
「賃貸だから張替られない」「畳を汚したくない」といった場合には、フローリングシートでリメイクするのがオススメです。
フローリングシートにはシールタイプ、タイルタイプ、カーペットタイプと種類が様々。
畳を傷つけないようにする為にも、カーペットタイプのものを選ぶと良いでしょう。
フローリングカーペットの場合、6畳で15,000円~18,000円程かかります。
安く済ませる場合は、シールタイプのものありますが、畳が傷む原因になる恐れもあるので注意が必要です。
台風などの災害で濡れた畳を処分する方法
台風などで、畳が濡れてしまった、浸水してしまった畳はどうやって処分すれば良いのでしょうか?
畳は水に濡れたままの状態で放って置くと、カビが発生する原因となってしまいます。
万が一、災害の影響で畳を処分したい場合は、自治体の災害時の無料回収を利用しましょう。
災害ゴミは、一般的に災害廃棄物として自治体で無償で回収してくれる支援があります。
この場合、大量のゴミが出て持ち運びが困難なことから、収集場所も一時的に近いところに指定されるようです。
地域よって、災害ゴミの出し方は異なりますので、自治体のホームページで確認しておくと良いでしょう。
もし、台風や浸水などで畳が濡れてしまった場合は、早めのうちに乾かしておくことが重要です。
少し濡れてしまった程度であれば、風通しの良いところに立てかけておくことで畳を干す事ができますし、浸水で濡れてしまった場合は、天日干しをしておけば十分に乾きます。
畳の処分方法まとめ
不要になった畳の処分方法を6つ紹介させて頂きました。
一刻も早く畳を処分したい方や引越しなどで期日が迫っている方などは、不用品回収業者を利用して畳をスムーズに回収・処分してもらいましょう。